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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

作曲は何と似ているか(1)根源物質からの世界生成と似ている 

Posted on 15:15:52


 
はじめに


 私は趣味として、オーケストラ曲の創作を中心とした作曲活動に取り組んでいます。
 ひとつの曲のアイディアが誕生し、成長し、曲が構築されていく過程を振り返ってみると、作曲の過程は、他の領域のさまざまな出来事と似ていることに気がつきます。

 この「作曲は何と似ているか」のシリーズでは、これは作曲とよく似ている、と私が感じたいくつかの事柄を取り上げて、なぜ似ていると感じたのかを吟味していきたいと思います。
 そして、その検討を通して、作曲過程に潜んでいる特質を掘り起こしてみようと思います。


根源物質からの世界生成と似ている
 
 古代ギリシア初期の自然哲学者たち、タレスやアナクシマンドロスらは、この世界―コスモス―は、根源物質―アルケー―から生成される、と捉えていました。
 アルケーは、タレスによれば「水」、アナクシマンドロスによれば「ト・アペイロン(無限定なるもの)」でした。
 
 未だ分節化されていない、混沌とした原質・源泉から、空間的秩序を持った宇宙が生成されてくる。
 「渾沌から秩序ある世界へ」という世界生成の神話的見方は、洋の東西を問わず、世界各地に存在していた普遍的イメージのようです。
 
 作曲の過程はトータルに見て、まさに「カオスからコスモスへ」といえると思います。
 
 未だ形にならないもやもやとしたアイディアが立ち昇り、徐々に形をなし、断片がつながり、構造ができ、音楽的形式の中に納まり、個別部分の詳細が顕在化してくる。
 作曲初期に潜在的可能性として存在していた無数の萌芽の中からいくつかを発芽・成長させ、目指す曲の構成中に整序させる。場合によっては、勝手に自己生成してくれる。
 
 潜勢的なものから、顕在的な形が生成される、という点で、作曲過程は、根源物質からの世界生成と似ている、と感じます。
 あるいは、世界共通の神話的イメージ「渾沌から秩序ある世界へ」とそっくりだ、ともいえるでしょう。
 
 完成したオーケストラのスコアは、アナクシマンドロスが作ったと伝えられる天球儀に相当します。
 スコアは、音楽世界そのものではなく、構築された音楽世界を指し示す模型です。天球儀も、秩序ある世界そのものではなく、空間的秩序を示す世界模型です。
 
 スコアの作成は、天球儀の制作と同様、一種の宇宙モデルの制作である、と感じます。
 

作曲は何と似ているか(2)カンニングの摘発と似ている に続く

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