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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

ホテルに求める事柄の変化 

Posted on 09:51:16

 
 私は、仕事や通勤の都合で、あるいは体調を考慮して、甲府市内のホテルにしばしば泊まります。
 そのホテルを選ぶ基準が、この1、2年ほどの間に、相当変化してきました。

 
 かつては、ホテルに対して、快適さのみならず、普段よりも贅沢な滞在を望んでいました。広い部屋、品の良いおいしい朝食、温泉付きの大浴場、これらが、ホテル選びのポイントになっていました。今振り返ってみると、身体に楽をさせたい欲求に支配されていたようです。
 ところが、最近では、それらの基準はどうでもよくなってしまいました。むしろ、日常生活よりも贅沢なホテルでの滞在が、煩わしく感じられるようになってきたのです。
 
 現在、私がホテルに臨んでいる最大のポイントは、精神が安らぎ、心穏やかに過ごせること、です。
 そのため、部屋の静けさは大事です。ホテル自体が発する様々な機械音が少ない方がよい。部屋の広さは、極端に狭くなければOK。大浴場は、あってもなくても構わない。朝食は、バイキング形式ではなく、和食を適量(少な目に)食べられるのが望ましい。
 ハイクラスのホテルでは、種々の欲望が刺激され、心の穏やかさが乱されがちなため、避けるようになりました。
 その代わり、半年ほど前から、和室に泊まれる低価格のビジネスホテルが、選択肢に加わりました。
 和室に泊まるようになってから気づいたのですが、ホテルの部屋で独り座禅を組み、瞑想するには、洋室よりも和室の方が適しています。また、30年以上前の学生時代の、気楽な下宿生活のような感触も想起され、居心地の良さを感じています。
 
 このような、ホテルの好みの変容は、50代後半になってから訪れました。加齢に伴う身体の変化、心境の転換と並行して、起こってきたようです。
 精神の安らぎ、心の穏やかさ、こそが、日々の生活・営みにおける肝要なことになってきた、ということです。
 
 類似の好みの変容が、他にも生起しています。
 例えば、バッハに鍵盤曲のピアノ演奏に関しては、かつては、F.グルダや、G.グールドといった、個性の際立ったピアニストの演奏を好んで聴いていましたが、最近では、彼らの(やや押しつけがましい)演奏よりも、A.ブレンデルの、端正で抑制の効いた表現に、より魅力を感じるようになりました。ブレンデルの気品ある穏やかな演奏からは、バッハの作品の構築性や立体感も、見事に立ち現れてきます。
 例えばまた、私の好みの2つのジャンルの日本酒、純米吟醸や純米酒に関しては、30代、40代のころは、玉乃光の「酒魂」や、浦霞の「生一本」といった、コクを残した(淡麗でない)、華のある日本酒を好んで飲んでいましたが、最近では、酔心の純米吟醸の、穏やかでまろやかな、控え目な味わいに、とても魅力を感じるようになり、酔心の純米吟醸が、時折の晩酌の定番酒となりました。
 雪の茅舎や出羽桜や真澄のような、個性の際立った派手な純米酒は、日常的には飲む気がしなくなりました(今では押しつけがましさを感じてしまいます)。一方、酔心のような、香りや華を控えた穏やかな品格の純米吟醸を好むようになってきたのです。糸魚川で出会った、「謙信」という純米吟醸も、酔心と同様な傾向でした。
 
 「好み」というものは、やはり、年齢とともに変化します。
 その転換が、私の場合、50代の中頃から後半に、いくつかの領域で共時的に生起した、と自覚している次第です。
 「穏やかさ」と「控え目」が、好みの軸となってきた、ということでした。


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テーマ - 人生を豊かに生きる

ジャンル - 心と身体

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