FC2ブログ

08 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30. » 10

作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

2016年以降、地球の平均気温は低下傾向にある 

Posted on 11:20:45

 
 近年における、地球の平均気温のピークは、2016年にありました。それ以前の、1998年のピークとほぼ同等のピークです。
 両年とも、スーパー・エルニーニョの年でありました。
 そして、1998年の時と同様、2016年以降の数年間、気温が低下傾向となりました。
 
UAH6_2015-2019_384.jpg
過去5年間の地球の平均気温の推移(衛星観測による、月単位、クリックで拡大)

 
 上記のこのグラフは、アラバマ大学の研究グループが提供しているデータに基づいています(ウェブサイト、"Wood For Trees"より作成)
 気象衛星ノアは、一日に十数回、両極上空を通って地球上空を周回しています。そして、対流圏における赤外線スペクトルの垂直分布のデータを集積しています。北半球も南半球も均等に観測します。そのため、全球の、かなり正確な平均気温を算出することができます。
 地上の観測地点は、分布に偏りがあり(北半球や先進国に多い、また都市部に多く、田舎に少ない、海洋データが少ない、など)、平均値を求める際に、補正が必要になります。そして、その補正の際に、研究者や研究チームの恣意や意図が入り込まないとも限りません。また、観測地点の周囲の環境変化(森林の伐採など)によって、通年比較が意味をなさなくなっている場所もあるかもしれません。
 そのような、地上の機器による観測に付随する問題点を考慮すると、気象衛星の提供する地球の気温変化のデータは、より信頼がおけるのではないでしょうか。
 
 21世紀に入り、地球の平均気温は、IPCCの当初の予想とは裏腹に、上昇せず、ほぼ横ばい状態が、2012年頃まで続きました。
 その後、2016年にかけて、顕著な上昇が見られました。「急激な上昇傾向が復活した」といったたぐいの報道がなされましたが、結局、スーパー・エルニーニョによる数年限りの現象だったようです。
 1998年のスーパー・エルニーニョの際と同様、エルニーニョの収束以降、気温は下降傾向に転じました。
 最近の1年くらいは、ほぼ2000年代の平均あたりに落ち着いています。
 
2018年の日本の夏の猛暑について、地球温暖化と関連付けた報道が見受けられましたが、相当無理があるのではないでしょうか。世界的には、数年単位でみて下降傾向の時期でした。また、21世紀に入って、上昇傾向が緩やかになり、横ばいに近くなっています。短期的にも、中期的にも、温暖化していない時期の猛暑でありました。したがって、2018年の日本の猛暑については、地球全体のトレンドとは別の要因を考えるべきでしょう。
 
 次のグラフは、過去40年間の、気象衛星の観測による地球の平均気温の推移です。

UAH6_1980-2019_384.jpg
過去40年間の地球の平均気温の推移(月単位、クリックで拡大)

 
 1998年と、2016年に、顕著なピークがあるのがわかります。その2つのピークの間は、わずかに上昇か、または、ほぼ横ばい、といったところでしょう。
 また、20世紀中に、ふたつの極小期がありました。1985年頃と、1993年頃です。それぞれ、メキシコのエル・チチョン火山と、フィリピンのピナツボ火山の噴火活動の影響と考えられます(粉塵による、長期的な太陽光の遮蔽)
 このように、地球の平均気温の変動は、短期的には、エルニーニョとラニーニャの周期的変動と、突発的な火山噴火の影響を受けていることがわかります。そのため、2~3年間上昇傾向や下降傾向が続いても、それがその後継続的となるかどうかはわかりません。
 過去の報道を振り返ってみると、上昇傾向の時期には盛んに地球の平均気温が注目されましたが、低下傾向に転ずると、そのことに対する報道はほぼ皆無となります。そのため、データをいちいち調べていない人々は、上昇の報道のみに接するため、毎年毎年上昇が続いている、と誤解してしまう惧れがあります。
 ところが、実際は、上がったり、下がったりで、21世紀に入って以降、たいして上昇していない、というのが実態です。少なくとも、IPCCがコンピューター・シミュレーションに基づいて予想していた、20年間で0.6℃前後の上昇は全く見られません。上昇しているとしても、せいぜい、この20年で、0.2~0.3℃程度にすぎません。
 深井有氏は、『地球はもう温暖化していない』の中で、下のグラフを紹介し、多数の気象モデルに基づいた気温上昇予測と、衛星や気球による実測値との間に、相当な乖離がみられることを指摘しています(深井有『地球はもう温暖化していない』平凡社新書、2015年、p.25)
 

SimulationSatellite_384.jpg 

 深井氏のその指摘は、2016年のピークと、それ以降の低下傾向の時期まで含めても、妥当します。
 結局、2000年頃になされた、コンピューター・シミュレーションによる地球の平均気温予測は、外れたのです。
 ということは、そのシミュレーションの基礎理論となっている、CO2を中心とする人為的要因が地球温暖化の主原因である、という仮説が反証された、と理解してよいのではないでしょうか。
 21世紀に入って以降も、大気中のCO2濃度は上昇を続けてきました。その一方、地球の気温は頭打ち状態となりました。
 少なくとも、気象衛星による地球気温の変動データは、CO2主原因説を積極的に支持するものではない、と判断できます。

 

関連記事
スポンサーサイト



テーマ - 自然科学

ジャンル - 学問・文化・芸術

△page top

△page top

Secret

△page top

トラックバックURL
→http://wood248.blog.fc2.com/tb.php/284-d2a44ce3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△page top

ブログ

カテゴリ

全記事一覧リスト

最新記事

コメントをどうぞ

最新コメント

最新トラックバック