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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

本を手放す快感―部屋のホメオスタシス― 

Posted on 08:57:49

 
 私は研究者なので、職業柄、ある程度の書物を、研究室と自宅に所有しています。
 けれども、その総数は、15年ほど前から、ほとんど変わっていません。
 毎年、100~150冊程度、購入していますが、不要になった本を、毎年、その冊数と同程度、処分しているからです。

 
 ここ数年は、科学史関連や自然科学や哲学などの書籍は、札幌の古書店の『なちぐろ堂』にお願いして買い取ってもらっています。
 また、音楽史やスコア、作曲・音楽制作関連の書物に関しては、中古CDショップの『ディスクユニオン』が買い取ってくれます(『ディスクユニオン』の、例えば吉祥寺のクラシック館では、クラシック音楽関連の古書籍を販売しています)
 あまり値の付かなさそうな本については、雑誌類のごみとして出してしまいます。
 
 そのような作業を、気が向いたときに、年に数回程度行っているため、書物の総量が、ほぼ一定に保たれているのです。
 その作業を行うと、必然的に書棚の入れ替え整理がなされるため、必要な文献類が、机の一番近くの棚に収まってきます。使わない本が手近にたくさんあって邪魔になる、というような事態は、おのずと回避されます。
 その結果、書棚も部屋もすっきりとし、その中の住人である私も、精神的に快適に、研究生活や作曲活動を続けられます。
 
 ところで、生理学の分野には、「ホメオスタシス」という有名な用語があります。クロード・ベルナールが19世紀中頃に提唱した概念で、日本語には、「恒常性」あるいは「恒常性の維持」と訳されています。
 人間を含む、多細胞動物の体内の環境を念頭に置いた用語で、体内の細胞を取り囲む環境―内部環境―は、外部の環境変化の影響をあまり受けずに、ほぼ一定の状態に保たれています。そのような生理的作用や仕組みを、「ホメオスタシス」と言います。
 とりわけ、体温や、血液中の血糖値などがあまり変動しないことが、その環境内の住人である個々の細胞が快適に活動するための必須条件でしょう。
 
 私が時おり行う本の処分・整理は、一種の「ホメオスタシス」の活動ではないか、と、ある時気づきました。
 研究室や書斎内で過ごす時間の長い人間にとって、研究室と書斎の机周りの環境は、精神的活動の成否に相当な影響をもたらします。机に座っている私がひとつの細胞であるならば、書棚の書籍類は、養分を供給してくれる体液の一部のようなものです。
 食生活に気を使ったり、生活習慣を整えたりすることにより、生理学的な「ホメオスタシス」が適切に作用するように、ある程度は誘導できます。
 それと同様に、研究室や書斎の環境の恒常性の維持を図ることは、研究生活をよりスムースに進捗させるための重要な条件であるように、私には感じられます。
 書物を手放す際に得られる快感は、体調が回復しつつあるときの身体感覚に似ています。コンディションが整ってきた、という感触です。
 恒常性を維持することは、身体内部にとっても、精神的活動にとっても、非常に大事な営みなのでしょう。


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テーマ - 博物学・自然・生き物

ジャンル - 学問・文化・芸術

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