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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

2016年のピーク以降、地球の平均気温は急下降している 

Posted on 08:47:50

 
 気象衛星ノアの測定による、地球の平均気温は、2016年にひとつのピークを迎えたものの、その後、2018年の前半にいたるまで、下降しています。
 平年値との比較で、大まかには、+0.8℃から+0.2℃へと、0.6℃も下降しています。
 次のグラフをご覧ください。

 

衛星観測世界平均気温 
衛星観測世界平均気温(米国アラバマ大学(UAH)のデータ)
(ウェブサイト≪Wood For Trees≫より、クリックで拡大)

 

 衛星による、酸素分子から出るマイクロ波を検知する気温測定は、地上の観測所の観測値を補正平均したデータに比べると、信頼度が高いと考えられます。
 陸上の平均データには、都市化の進行に伴った、ヒートアイランドや観測地点の環境変化による上昇分が、若干上乗せされている可能性があります。そのため、海上データよりも、特に1970年代以降は、陸上データは上昇勾配が大きくなる傾向があります。
 一方、極軌道気象衛星は、一日に何度も、両極上を通過しながら南北に地球上空を旋回して、大気の垂直温度分布を測定しています。そのため、全地球の平均気温の推移を知るのに最適といえます。また、衛星データは、トレンドが海洋データとほぼ一致しているので(陸上データほど急勾配ではない)、その意味でも信頼度が高い、と考えられます。
 
 さて、上に掲げたグラフは、気象衛星による、対流圏低層(つまり地上付近)の地球平均気温の推移です。
 エル・ニーニョとラ・ニーニャの周期的変動が、はっきりと表れています。ふたつの顕著なピーク、1998年と、2016年は、ともにスーパー・エル・ニーニョの時期でした。極大値は、ともに、平年値との差で、+0.8℃程度でした。その前後のグラフの形もかなり似ています(上のグラフの平年値は、1981年から2010年までの30年間の平均です)
 
 2016年頃には、世界の平均気温が急上昇しつつあることが盛んに報道されましたが(「年平均気温の記録が更新された」「再び急上昇に転じた」など)その上昇分は、ピーク以降の急下降でキャンセルされ、ほぼ元に戻りました。この事実については、あまり報道されていないようなので、このブログでも提示することにしました。
 結局、2016年の気温上昇は、スーパー・エル・ニーニョによる一時的な現象であり、長期的なトレンドに影響を及ぼすものではなさそうだ、ということです。
 そのように見ると、地球温暖化は、1998年以降、ほとんど進行していないか、進行しているとしてもとても緩やかなペースでしかない、と判断されます。
 念のため、2017年以降の世界平均気温の低下傾向を、次のグラフで確認しておきます。 衛星データ2種を含む、4種のデータのうち、3種が、右下がりのトレンドを示しています。ひとつはほぼ横ばいです。
(平年値に関しては、UAHのデータに揃えてあります)
 

2017年以降の地球平均気温のグラフ
2017年以降の地球平均気温のグラフ
(データの出典は、同上、クリックで拡大)

 
 過去1年については、1年で0.2℃程度、下降しています。2016年のピーク以降、2018年4月までに、ほぼ0.6℃程度下降したとみられます。
 今後どのように推移するかは予断を許しませんが。
 
 ところで、2000年前後や、21世紀初頭になされた、コンピューター・シミュレーションを用いた気候モデルでは、21世紀の100年間で約3℃程度上昇、最初の30年間でおよそ1℃の上昇が予測されていました。
 ところが、過去20年間では、衛星の観測データに基づく限り、スーパー・エル・ニーニョを差し引くと、上昇していたとしても0.2℃程度でしかありません。そもそも、上昇傾向が継続していると判定できるかどうか、微妙なところです。
 つまり、当時のコンピューター・シミュレーションによる予測は、ほぼ「ハズレ」であった、ということです。
 コンピューター・シミュレーションを用いる気候モデルでは、人為的に放出されたCO2を温暖化の主原因と想定してモデルを作っていますから、予測と実測データとの乖離は、「CO2温暖化説はデータによって支持されてはいない」ということを物語っています。
 あるいは、「データはCO2温暖化説を反証している」とまで言ってもいいかもしれません。
 3年前、深井有氏は、著作『地球はもう温暖化していない』(平凡社新書、2015年)において、44種の気候モデルによる予測が、衛星データと相当乖離していることを指摘していました。気候モデルのほとんどが、実測値よりも高温を予想していたのです。
 次のグラフをご覧ください。その著作の口絵に提示されているグラフです。
 

CO2温暖化予測の破綻
(クリックで拡大)

 
 衛星データは、2012年までですが、2018年までのデータは、このブログ記事の最初のグラフを補えば、理解できるでしょう。2016年に、1998年程度のピークがあり、その後2年間、下降しているグラフです。
(つなぐ場合、平年値の基準が少し異なることと、データの密度が違うことを考慮しなければなりませんが、大まかな傾向ならば十分に把握可能でしょう)
 深井氏の指摘、「CO2温暖化予測の破綻」は、2018年4月までのデータでも、依然として妥当します。
 したがって、コンピューター・シミュレーションを、CO2温暖化説の根拠として認めることはできません。
(IPCCでは、「20世紀の温暖化を、CO2増加を中心とした人為的強制力に自然的要因を加味した気候モデルで、ほぼ再現できる」という理由で、コンピューター・シミュレーションを、CO2温暖化説の主要根拠のひとつと見做していました)
 政治的には定説のごとく扱われているCO2温暖化説ですが、科学的な学説として吟味してみると、信頼度が相当揺らいできている理論であることは否定できないでしょう。


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