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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

<森の木霊>新録音版を公開―管弦楽とジャズバンドの響宴― 

Posted on 08:37:31

 
 「管弦楽とジャズバンドの響宴」の連作の、第1作目を、新録音版で公開します。
 そのシリーズの6作品中、ブログとYouTubeでは、この曲と、<高原の風>を公開しています。
 この<森の木霊>では、オーケストラとジャズバンドを背景に、フルートが自在に躍動します。

 

(YouTube へのリンクです)

 
 この作品には、表のテーマと裏のテーマがあります。
 表のテーマは、言うまでもなく「情景描写」です。裏のテーマは、「文明と野性との対比・調停」という、文化人類学的課題です。
 
 森の中をゆったりと散歩している情景を思い描いて、曲を作りました。
 鳥や木々や草花と人間とが、交感している世界、共鳴する自然を表現してみようと試みました。
 
 フルート協奏曲風の管弦楽曲ですが、途中から、フルートがジャズバンドをバックに演奏を始めます。オーケストラとジャズバンドとが、対等に演奏します。
 オーケストラとジャズバンドでは、楽器編成や規模が異なるだけでなく、ビート感覚も違うため、クラシック音楽調から一転してジャズへ、またクラシック調へ、と曲想が何度か転じます。この演奏様式の「対比」が、この曲の聴きどころです。
 
 この対比に、「文明と野性」の対比を託しています。この対比からはさらに、世界や文化に存在する様々な二項対立、天と地、昼と夜、意識と無意識、建前と本音、中心と辺縁、漢字とひらがな(真名と仮名)、などの暗喩も聴き取れるかもしれません。
 
 バロック音楽の「合奏協奏曲」(※)の編成と演奏様式を参考にして、創作しました。
 この<森の木霊>では、合奏協奏曲のコンチェルティーノの部分に、[Flute+Jazz Band]を代入した編成を採用しています。オーケストラは、古典派時代の標準的2管編成に近いものです。
 したがってこの曲も、<高原の風>と同様、バロック音楽の「合奏協奏曲」の現代版、を目指した曲です。
 
 2010年6月作曲、2012年2月改訂、ト長調。複合3部形式です。
 
楽器編成(コンチェルティーノ):ソロ・フルート、ピアノ、ヴィブラフォン、ベース、ドラムス。
楽器編成(リピエーノ):フルート、オーボエ、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット、ホルン2、シロフォン、チューブラベル、ティンパニー、シンバル、ラテン・パーカッション5種、弦楽器群(ヴァイオリンⅠ・Ⅱ、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)。
 
「合奏協奏曲(=concerto grosso)」とは、独奏楽器<群>を、オーケストラ全体と対置させた協奏曲のことです。独奏楽器<群>は、コンチェルティーノといい、たとえば、ヴァイオリンとフルートとチェロとチェンバロで構成されたりします。一方のオーケストラは、リピエーノといい、弦楽合奏、または弦楽合奏プラス管楽器群という構成です。
 コレッリやヘンデルの合奏協奏曲が代表例で、バロック時代の協奏曲の最も重要な様式です。2つのグループが対等の立場で演奏し、音量や音色の対比や、フレーズの掛け合いなどによって、劇的な効果が生み出されます。
 
 この曲でも、<高原の風><白鷺の舞>と同様に、3種の音源、Garritan Personal Orchestraと、Proteus Orchestra、YAMAHA MOTIF-RACK XS をブレンドして、サウンドを制作しました。
 
 静止画像は、1999年9月に、日光の林で撮影した写真です。

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