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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

エンニオ・モリコーネとセザール・フランク 

Posted on 16:00:29

 
 映画音楽の作曲家として知られるエンニオ・モリコーネは、私の好みの音楽家です。
 モリコーネのCD『ザ・モースト・ビューティフル・メロディ』を聴き直して、なぜ私が愛好するようになったのか、ある程度分析できたので、ここに記しておくことにします。

 
 私の愛好する理由が、3点見出されてきました。
 まず、優美で、おのずと耳に染み入るようなメロディーライン。そしてそれにつかず離れずして絡む繊細な対旋律。
 私の体質にフィットする、というのが実感です。身体に溶け込む旋律を紡ぎだす作曲家、といえましょう。
 第2点として、自然な和声進行の延長上で、実に洒落た転調をさりげなく行うこと。
 特に、短3度の上下の転調を好んで用いているらしいのがわかります。私の好みと見事に重なります。
 「夕陽のギャングたち」では、曲の後半部で、短3度上への転調が3度敢行されます。効果抜群の技巧と感じます。今回聴いたときも、転調の個所で体がのけぞってしまいました。新たな世界への扉を、次々に開いているようです。
 さらに、第3点。長7度の和声を偏愛していること。
 トニックとサブドミナントに、長7度を配するのを好んでいます。
(コードネームならば、ハ長調の場合、Cmaj7とFmaj7に相当します)
 この和声は、うまく活用すると、はるか遠くを眺める視線を感じさせるような効果がある、と私は思います。この現実の世界から距離を置く姿勢が、彼の作品から伝わってきて、それが私には心地よいのです。
 「Mr.レディMr.マダム」「ペイネ・愛の世界旅行」「ある夕食のテーブル」では、長7度の和声が印象的に用いられています(「愛の世界旅行」と「ある夕食のテーブル」では、短3度上への転調も含まれています。「Mr.レディMr.マダム」での転調は、長3度上です)
 
 結局、このイタリア人の作曲家の作風と技巧が、私の創作姿勢と体質的に共鳴を起こしている、ということです。
 ところで、クラシック音楽の作曲家で、上記の第2点と第3点について、傾向が似ている人物がいます。19世紀後半のフランスの作曲家、セザール・フランクです。
 たとえば、フランクのヴァイオリン・ソナタ第1楽章では、断続してなされる洗練された転調や(短3度上下を含む)、長7度の音程の活用を聴くことができます。
 一方、モリコーネの「アリバイ」を聴くと、フランクの作品を映画音楽化したのではないか、と感じてしまうくらいです。転調の見事さと長7度への愛着、モリコーネとフランクはよく似ています。
 
 私は自身の創作において、この二人の作風を模倣しようとしてきたわけではないのですが、いつの間にか、似てきたようです。
 とくに、<イルカの旅立ち><時の波>は、モリコーネとフランクの薫陶を深く受けてできた楽曲であった、と今では思います。
 今後も私の作風は、この路線の延長上に展開されていくのでしょう。


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