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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

リスナーの感想と、作曲者の本人評価との食い違い 

Posted on 07:08:47


 昨年(2012年)の6月、第7作品集≪天地有情≫を完成させ、そのCDを販売したり、知人に差し上げたりしました。
 その後、半年ほどの間に、十数名の方々から、この自作曲集に対するご感想をいただきました(メール、電話、手紙、口頭で直接)
 励みになります。ありがとうございます。
 
 今回の作品集に対する感想は、私にとって、予想外のものでありました。
 そのことを語ってみようと思います。
 
 食い違いの実情
 
 これまでも、自作曲の作品集に対しては、どの曲が気に入ったかを、聴いてくださった方々が伝えてくれました。そして、リスナーの気に入る曲と、私のお気に入りの曲とは、少々のずれはあっても、大きくずれることはあまりなかったのです。
 
 ところが、この作品集≪天地有情≫に関しては、事情が異なりました。
 
 約半数の方々が、4曲目の<アンモナイトの追想>(試聴できます)を一番気に入ったらしいのです。
 これはまったくの予想外であり、驚きでした。
 最初それを耳にしたときには、皮肉を言われているのか、と疑ったくらいです。
 なぜなら、この作品集のテーマは「管弦楽とジャズバンドの響宴」であり、8曲中、6曲が、このテーマに沿って書かれた曲なのですが、<アンモナイトの追想>はそのテーマから外れる曲だったからです。そして、テーマから外れるがゆえに、ほかの曲に比較すれば、投入したエネルギー量も少なく(つまり、サラッと作った)、曲に対する自己評価も相対的には低い曲だったからです。
 ですが、4曲目がよかった、という声が次々に届き、どうやら皮肉ではなさそうだ、と納得してきました。
 
 さらに、気に入ったという人の数が、その次に多かったのが、8曲目のオーボエのための曲<蝶の覚醒>でした【常設曲ギャラリーC】で試聴できます)
 この曲も、作品集のテーマ「管弦楽とジャズバンドの響宴」からは外れるもうひとつの曲なのです。コンクールに入賞した曲なので、とりあえず作品集に加えておこう、と思い、最終曲に入れておいたのでした。
 コンクールの入選曲に対する興味から、注意深く聴いてくださった可能性もあるかもしれません。
 
 それにしても、作品集のテーマに沿った楽曲が6曲あるのに、テーマから外れる2曲が、リスナーの大半のお気に入りであった、ということは、私にとっては予想外であり、少々残念なことでした。
 
 ただ、感想全体では、8曲中7曲に対し、好意的なコメントが来ましたので、多少は救われました。
 
 こうしたリスナーの感想に対し、作曲者の私のお気に入り(プラス、曲に対する評価)の序列を(無理やり)つけてみると、次のようになります。
 
 一番のお気に入りは、5曲目の<森の木霊>(試聴できます)
 二番目が、1曲目の<高原の風>(試聴できます)
 以下、曲の番号と曲のタイトルを、順に記します。
 
 2曲目<浜辺の夕暮れ>
 3曲目<迷宮のワルツ>
 8曲目<蝶の覚醒>  [リスナー第2位]
 4曲目<アンモナイトの追想> [リスナー第1位]
 7曲目<複相都市の情景>
 6曲目<蜜蜂の戯れ>
 
 (どの曲も、【第7作品集 天地有情】のページで、冒頭の1分程度を試聴できます)
 
一番のお気に入りの曲を1曲目にせず、5曲目にしたのには、二つの理由があります。
①1曲目は最もジャズにふさわしいサックスの曲にしたかったこと。
②20年以上前、よく聴いていたジャズのレコードでは、一番気に入る曲がB面の最初にあることが多かったこと。この作品集では、5曲目がそれに対応するのです。

 
 では、なぜ、これほどまでに両者の評価は食い違ったのでしょうか。
 
 考察
 
A.この作品集の「管弦楽とジャズバンドの響宴」というテーマに対しては、残念ながら、リスナーの方々からは、余り興味をもってもらえなかった、ということでしょう。
 したがって、今回の作品集は、成功作とはいえない、と判断せざるを得ません。
 
 この結果の要因として、次の2点が思い浮かびました。
 
(1) このテーマに即して書いていった曲のアレンジが、装飾過剰、言い換えれば、厚化粧、あるいは、凝り過ぎだったのではないか。
 
(2) バロック時代の「合奏協奏曲」の現代版を創作する、という私の意欲を、理解してもらえなかった、あるいは、共感してもらえなかった、ということなのかもしれない。
 聴く側からすれば、作品集のテーマなどには関心はなく、聴いてみて自分の感性と会うか合わないか、ということが大事な点なのでしょう。
 
 結局、作曲者の思惑が一方的に出すぎて、聴き手に受け容れてもらえなかった、というのが結論になりそうです。
 
B.いずれにせよ、聴いてくださる方々は、その人の感受性を基準にして曲を受け止め、判断するわけですから、作曲者の意図や好みや評価とは、ずれがあって当然なのです。
 その根本的な事柄を、今回の食い違いは、はっきりと私に再認識させてくれたのでした。
 
 あなたは、お聴きになってどのようにお感じになりましたか。
 ご意見・ご感想をいただければ幸いです。
 
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学会発表と同じです

 あらためて聴き直してみましたが、私の感想は「メリーゴーランドでかかってる音楽」というイメージでした。(雑なコメントで済みません。音楽的素養がないものですから。)
 そんななかで「アンモナイト」は、出だしがピアノ(ですよね?)なところが他の曲と違っていて、たしかに印象に残りやすい感じがありますね。
 あと、自己評価と他人からの評価がしばしば食い違うというのは、私も学会発表の時なんかに、頻繁に自覚されるところであります。たいていはがっかりする方にですが(苦笑)。で、良い評価はぽつぽつと、後になってから頂けたりとかします。

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2013/03/08 14:06 * edit *

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