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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

管弦楽曲<イルカの旅立ち>新録音版を公開 

Posted on 06:56:46

 
 2015年8月に作曲した<イルカの旅立ち>を、弦楽合奏の演奏表現に関して大幅に改訂し、録音し直しました。
 

(YouTube へのリンクです)

 
 この管弦楽曲<イルカの旅立ち>は、自分の中にあった映像的イメージを描いた作品です。
 そのイメージに重ね合わせて、私なりの筋書きと旅立ちの意味を考えていました。
 
 「旅立ち」には二つの意味合いがあります。
 ひとつは、水族館からの旅立ちです。
 人間の管理から脱け出し、イルカが野性に還る旅です。大海原の潮流のなかでの共鳴感や、解放感を全身で表現しているイルカ。また、自然界と一体化することに対する躊躇と、決意。
 この筋書きは、飼いならされた文明人の生き方から距離をおきたい、という私の願望でもあります。
 もうひとつは、系統発生的な、動物進化の歴史における旅立ちです。
 イルカと私たち人類の共通祖先を遡ると、4億年前には脊椎動物の魚類でありました。その仲間の中から、3億数千万年ほど前、古生代の中頃に、陸上に進出してきた一群の動物たちがいました。その両生類から、やがて爬虫類や哺乳類が進化を遂げていきます。
 ところが、新生代のある時期に、その身体的指向性を転換して、海へと還ろうとする哺乳類が現れました。クジラやイルカたちです。この曲は、その彼ら・彼女らへの哀惜を込めた楽曲でもあります。
 こちらの筋書きも、私の中では進歩の思想との距離感につながっています。
 近代文明の、欲望充足志向の価値観や競争原理からある距離を置き、身にまとっているいくつもの殻を少しずつ脱ぎ捨て、「求めない生き方」「争わない生き方」へと重心をシフトしていく。
 そんな「覚悟」が私にとっての旅立ちです。
 
 この曲でも、<丹頂の輪舞>や<アシカのメヌエット>や<高原の風>などと同様に、音源、Garritan Personal Orchestraと、Proteus Orchestraをブレンドして、オーケストラサウンドを制作しました。
 旧録音版では、Proteus を主音源として弦楽合奏を表現していましたが、今回の新録音版では、Garritan を主音源に切り替えています。
 
楽器編成:フルート2、ピッコロ1、オーボエ2、イングリッシュ・ホルン1、クラリネット2、バス・クラリネット1、バスーン1、ホルン2、トランペット3、トロンボーン3、チューバ2、ティンパニー、チェレスタ、シロフォン、チューブラ・ベル、シンバル、弦楽器群(ヴァイオリンⅠ・Ⅱ、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)。
 
静止画像は、2014年9月に佐渡の尖閣湾にて撮影した写真です。
 
追記
 
 この曲は、管弦楽組曲≪生命の海≫の第5楽章です。
 第1楽章<太古の水平線>
 第2楽章<アンモナイトの夜>
 第3楽章<アシカのメヌエット>
 第4楽章<海に眠る月>
 これらもどうぞお聴き下さい。
 
 なお、2015年12月に公開した旧録音版はこちらです。
新作管弦楽曲<イルカの旅立ち>を公開


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