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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

ロクリアン正岡作曲/ライヴ版の組曲<死生共存> 

Posted on 11:38:11

 
 2016年12月のブログ記事で紹介した、ロクリアン正岡氏の新作、組曲<死生共存>のライヴ演奏が、YouTubeで公開されました。
 この動画は、2017年2月1日に東京オペラシティ・リサイタルホールで開催された、「現代の音楽展2017・アンデパンダン展」で演奏された記録です。

 

 

 以前に紹介したYouTubeのヴァージョンは、ロクリアン正岡氏がスコアをもとに音楽制作したもので、実演ではありません。
 今回の、肉声の、歌詞を伴う演奏を聴いてみると、実にリアルに、生と死のせめぎあいが、生成と崩壊との対比が表現されている様子が感じられます。
 人間存在は、秩序へと向かう生命のエネルギーと、自然の摂理として衰弱・崩壊にいたる宿命との、双極的な渦流の中にあります。そのような対比を、ソプラノとテノールの二重唱で暗示しているようです。
 また、この二重唱による対比には、「自然な在り方(諸行無常)」と「人間の我執」との対比も込められているように、私には感じられました。自然と文明との確執とでもいえましょうか。
 衰える肉体に対して、若さ・美しさを保ちたい、という執着。ドーピングをしてまで金メダルを取りたい、という浅ましい欲望。そうした人間の“業”が、文明社会の中で腫瘍が増殖するがごとくに至る所にはびこっている。
 そうした状況に対する、“諦観”のようなものも感じました。あるいは、人間の業まで含めて人間存在を受け止める自然界の海のような包容力まで、遠望されているように思われました。
 
 「音楽による死生観の提示」というべき荒業を、ロクリアン正岡氏は見事な手さばきで成就しました。
 作曲家としての「円熟」の香りのする作品です。


 

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