06 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31. » 08

作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

ロクリアン正岡作曲・組曲<死生共存>に聴く、幽玄なる異世界 

Posted on 11:13:28

 
 この作品は、「音楽による死生観の提示」というべき仕事です。
 ロクリアン正岡氏は「鬼才」と評されるにふさわしい作曲家である、と私は感じます。

 


 タイトル通り、「死」と「生」をテーマとしていることが、聴いていて了解されてきます。
 私は聴きながら、洞窟の中、あるいは地底を流れる川、といった情景が浮かんできました。
 地下の川に身を沈めて、死といのちの流れを、温泉に浸かるように浴びている。
 「未だ形にならないもの」と「形に向かって生成していくもの」が共存している感覚です。
 未分化な渾沌(死と生の境界領域でしょうか)と、秩序に向かう生命のエネルギー。
 この両者のせめぎあいが、この曲から伝わってきます。
 
『荘子』では、「渾沌」が、7つの穴という秩序を獲得した結果、かえって「生」を失ってしまう、という逆説が提示されています(『荘子』内篇・応帝王篇の最後の断章)。
 渾沌と生成とは、死と生のせめぎあいの淵にある現象だということが、古代から理解されていたのでしょう。それと通じる世界観が、この曲からは滲み出てきています。
 
 我々は、内部に「死」を抱え込んで生きている。
 そんな声が、この作品から聞こえて来るように感じました。
 「死」の萌芽、反秩序・崩壊への種・制御不能性が肉体にも精神にも潜んでいる。
 それらと「共存」しながら、引き裂かれつつも折り合いをつけて生きている、といった人間の在り方を語った作品と、私は受け止めました。
 
 「死と生」を、音楽で深奥まで探究した成果でしょう。
 「哲学的探究としての音楽」の出現を、砂被りで体感できました。
 
 なお、この作品は、2017年2月1日に実演される予定です。
 東京オペラシティ/リサイタルホールで、

〈現代の音楽展2017〉アンデパンダン展 第1夜

が開催され、その出品作(最終演目)となっています。


関連記事
スポンサーサイト

テーマ - クラシック

ジャンル - 音楽

△page top

△page top

Secret

△page top

トラックバックURL
→http://wood248.blog.fc2.com/tb.php/193-433e85e9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△page top

カテゴリ

全記事一覧リスト

最新記事

月別アーカイブ

コメントをどうぞ

最新コメント

最新トラックバック