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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

<丹頂の輪舞>作曲をめぐる、3つのエピソード 

Posted on 06:32:50

 
 先月、2016年8月末に、<丹頂の輪舞>という新作の管弦楽曲を公開しました。
(ブログ記事「新作管弦楽曲<丹頂の輪舞>を公開」をご参照ください)
 その曲にまつわる、私的な経験を記しておきます。

 
(1) 発想
 
 この曲のモチーフは、台所で包丁をリズミカルに使っている際に、訪れました。まな板と包丁の刻むやや速めのテンポから、3拍子の旋律が浮かんできたのです(2014年1月頃)
 たぶん、聴いたことのないメロディーなので、これは私が作曲したものなのだろう、と判断して、作品の素材に用いることに決めました。
(やや似たメロディーラインの曲に、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ≪悲愴≫の第3楽章がありました。その楽章は2分の2拍子です)
 そして、この旋律から感じられる情動が、丹頂鶴の身のこなしの感覚と共振しそうだと感じ、丹頂のイメージで楽曲を創作しよう、と構想し始めたのです。
 ひょっとしたら、「短調のメロディー」→「丹頂のメロディー」という連想もあったかもしれません。
 2014年2月には、曲の構成がほぼまとまり、タイトルを<丹頂の輪舞>と決めていました。
 しかしながら、諸般の事情より、スコア書きはしばらくの間寝かすことになり、本腰を入れてオーケストラ譜に取り組み始めたのは、2016年5月、連休明けの頃となりました。その後、断続的に書き進め、スコアが完成したのは、2016年の7月末でした。
 
(2) 絵画
 
 オーケストラのスコアを3分の2ほど書き進めていた時期、2016年の6月末、蓼科への旅行の帰りに、諏訪の北澤美術館に立ち寄りました。そこでは、「文化勲章受章作家・前期展」という企画を2階で開催していました。
 その展示で私の目を奪ったのが、日本画家・杉山寧(やすし)さんの『娑』(さ)という作品です画像はこちら←クリック)
 なんと、2羽の丹頂の求愛ダンスが描かれているではありませんか。
 創作中の<丹頂の輪舞>での描写シーン(「決めのポーズ」と私が名付けていた8つの音符からなる音列)と見事に重なり合いました。
 シンクロニシティー(偶然の共時性)というのは、まさにこういう事態を指すのだな、と感じました。
 その後、北澤美術館で購入した杉山作品の絵葉書からイメージを得つつ、オーケストラのスコアを書き進めていきました。
 
(3) 夕焼け雲
 
 スコアは7月末に出来上がり、8月初旬から、音楽制作に入りました。
 YouTube に公開する予定だったので、静止画像が必要で、さすがに杉山さんの作品画像を使うわけにもいかず、思案していました。
 <丹頂の輪舞>のラスト30秒ほどは、2羽の丹頂が夕焼け空に飛び立っていくイメージを表現しています。そこで、丹頂はいなくとも、夕焼けの写真を入れたい、と考えました。
 夕焼けの写真は、過去にかなり撮影しているので、その中から適当に選ぼうと思っていたら、先月、2016年の8月21日の夕刻ですが、驚きの写真が撮れてしまったのです(YouTube に公開の1週間前)
 自宅マンションの5階から撮影しました。それが、下の写真です(クリックで拡大)
 

夕焼けの丹頂 

 なんと、夕焼け雲の形が、翼を広げた丹頂の飛翔姿に見えるではありませんか。
(中央やや右方向に、細長い首が伸びています。飛んでいる方向は、右下後方にも見えますし、右下前方にも見えます)
 1羽しかいませんが、楽曲のラストシーンのイメージに近い写真が、偶然にも得られてしまいました。感激です。
 天地との交感作用を錯覚してしまいました。
 この音楽作品をめぐる、2度目のシンクロニシティーでした。
 
 今から振り返ってみると、絵画や夕焼け雲との出会いを「先取り」して、作曲していたように思えてなりません。
 そんなことはありえないのですが、結果的に、未来からの映像を楽曲に込めていたように感じます。


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