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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

<高原の風>―管弦楽とジャズバンドの響宴―新録音版を公開 

Posted on 10:46:25

 
 2011年に作曲した管弦楽とジャズバントのための曲<高原の風>を、現在の私の音楽制作システムで新たに再現してみました。
 

(YouTubeへのリンクです)
 
 この曲でも、<白鷺の舞>と同様に、3種の音源、Garritan Personal Orchestraと、Proteus Orchestra、YAMAHA MOTIF-RACK XS をブレンドして、サウンドを制作しました。
 
 アルト・サックスをメインのソロ楽器とするジャズバンドと、オーケストラとが対等に演奏します。
 2011年の秋、よく晴れた日に、長野県の上高地を散策したときの印象を綴ってみた作品です。
 冠雪したばかりの奥穂高岳を望みながら、河童橋周辺や梓川沿いを歩きました。
 静止画像は、その日に撮影した写真です。
 
 梓川沿いを吹く、冷たいが心地よい風に命を吹き込まれた曲です。
 風は音楽を宿している。
 そう実感しました。
 音楽の種を孕んだ風が、私のからだを通り過ぎ、散策している身体や精神の揺らぎと共振していくつかのモチーフの断片が生成してきました。
 そこで得られた素材を、滞在中の松本市内の一室でメモに落とし、構成を考え、素材をパッチワークし、オーケストラのスコアを書き進めていったのです。
 
 オーケストラとジャズバンドでは、楽器編成や規模が異なるだけでなく、ビート感覚も違うため、クラシック音楽調から一転してジャズへ、またクラシック調へ、と曲想が何度か転じます。この演奏様式の「対比」が、この曲の聴きどころです。
 LP時代の、"Charlie Parker with Strings"でみられるような、弦楽とサックスとの対比をイメージしました。また、ヘンデルの「合奏協奏曲」(※)のような、コンチェルティーノとリピエーノとの対比も、目指した境地でありました。
 ですから、私の中ではこの曲は、バロック音楽の現代風の亜種なのです。
 
 管弦楽の整然とした秩序の世界と、ジャズのスウィングする躍動的世界との対比は、どうやら、天と地、昼と夜、意識と無意識、建前と本音、男性と女性、中心と辺縁、漢字とひらがな(真名と仮名)、といった、世界や文化に存在する様々な二項対立の暗喩になっているようです(作曲中には迂闊にも思い至りませんでした)
 その意味で、この曲は聴きようによっては、かなり妖艶な作品かもしれません。
 2011年11月作曲、変ロ長調。複合3部形式です。
 
「合奏協奏曲(=concerto grosso)」とは、独奏楽器<群>を、オーケストラ全体と対置させた協奏曲のことです。独奏楽器<群>は、コンチェルティーノといい、たとえば、ヴァイオリンとフルートとチェロとチェンバロで構成されたりします。一方のオーケストラは、リピエーノといい、弦楽合奏、または弦楽合奏プラス管楽器群という構成です。
 コレッリやヘンデルの合奏協奏曲が代表例で、バロック時代の協奏曲の最も重要な様式です。2つのグループが対等の立場で演奏し、音量や音色の対比や、フレーズの掛け合いなどによって、劇的な効果が生み出されます。
 
楽器編成(コンチェルティーノ):アルト・サックス、ピアノ、ヴィブラフォン、ベース、ドラムス。
楽器編成(リピエーノ):フルート2、オーボエ、クラリネット2、バスクラリネット、ファゴット、ホルン2、トランペット2、トロンボーン2、シロフォン、チューブラベル、ティンパニー、シンバル、ラテン・パーカッション5種、弦楽器群(ヴァイオリンⅠ・Ⅱ、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)。
 

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