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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

平行5度の禁則についての覚え書き 

Posted on 10:54:35

 
 オーケストレーションの基礎となる和声法の規則に、「平行5度」を避ける、という禁則があります。たとえば、低音部が[レ-ド]と動くとき、上声部に、[ラ-ソ]という動きが重なる場合、平行5度となり、避けるべきである、というルールです。

 

平行5度の禁則
(久保田慶一編『キーワード150 音楽通論』アルテスパブリッシング、2009年、p.104より、2例目が平行5度)
 

 なぜこのような禁則があるのか、私は長い間、納得できていませんでした。
 低い声部の倍音成分として、完全5度上の音の響きが自動的に付加されるから、なくてもよいのかな、という程度の理解でした。
 ところが、2年か3年ほど前から、自分の書いたオーケストラのスコアのなかから、平行5度が成立している個所を見つけて、その部分を修正するのが楽しくなってきました。
 なぜかというと、その修正を行うと、8割以上の確率で、修正以前のスコアよりも和声の流れがよくなるからです。どの声部も滑らかにつながり、響きも改善される場合がほとんどです。
 やはり、平行5度の和声進行には“硬さ”“ぎこちなさ”が若干ですが付随します。そのため、それを除去すると、より自然な流れが得られるというわけです。
 つまり、平行5度を封じ込めることには、可能性が宿っているのです。その可能性を探らない手はないでしょう。
 
 ただし、場合によっては、平行5度を温存したほうがよい場合もあると思います。
 たとえば、トビュッシーが用いるような平行移動する和音進行や、ジャズの「裏コード」を使う進行などの場合です。これらには、平行5度特有の「味」が加わることによって、それらしさが醸成されるからです。
 
裏コードを含むコード進行の代表例:Dm7-D♭7-Cmaj7。ベースラインが、[レ-レ♭-ド]と動き、5度上の和声音が、[ラ-ラ♭-ソ]と連動します。平行5度で、半音階の下降が強調されているのです。
 
 したがって、平行5度がスコアに生じた場合、その響きを除去すべきか否かを判断した上で、修正に取り組む、という姿勢が望ましいのではないでしょうか。
 私は、そのように考えるようになりました。


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