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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

アナログ・ミキサーへの回帰 

Posted on 09:24:27

 
 およそ半年前、2015年4月に、音楽制作システムを再構築することを決断し、見切りをつけたハードウェア4台を処分しました。そのうちの1台が、10年近く使い続けてきた、YAMAHA AW4416 という機材(ディジタル・オーディオ・ワークステイション[DAW]、ディジタル・ミキサー兼録音機)でした。

 
 4月の当初の予定では、AW4416 の代わりに、PC内で、DAWソフトを用いて、ミックスと録音をするつもりでした。5月の段階では、
[オーディオ・インターフェイス US-4×4]+[DAW ABILITY]
で、新システムを運用し始めました。
 
US-4×4 は、アナログ・インプットの数が4つと少ないですが、オーケストラ用のソフト音源を導入し、ハードウェアとしての音源モジュールを5台から3台に絞り込んだため、音源モジュールの同時使用は最高で4台から2台と減り、これで足りたのです。
 
 ところが、しばらくこの組み合わせでディジタル・ミキシングをPC内で行っているうちに、音質に対する許容しがたい不満が沸きあがってきました。
 管弦楽作品を音楽に仕上げるために、
[ソフト音源G]+[音源モジュールP2台]を使用して制作したのですが、ソフト音源からの楽器の音色が分離しすぎて、音源モジュールからのオーケストラ・サウンドと溶け合わず、微妙に浮いてしまうのです。また、ソフト音源のソロ楽器に、かすかにディジタル臭が感じられてしまうのです。
 
G=Garritan Personal Orchestra,
 P=Proteus Orchestra
 
 この問題点は、そう簡単には解決できそうにありませんでした。
 
 一方、その問題とは別に、US-4×4 が半年ほどの間に2度故障しました。1度目は修理に出しましたが、2度目の故障で、この機材の使用を断念し、廃棄することにしました。
 そして、その故障を機に、上記のミキシングの問題点を軽減できそうな機材の導入を検討してきました。
 
 かつての、AW4416 においても、ミックスはディジタルで行っていましたが、アナログ・ミックスと質感は少々異なるものの、許容範囲内と感じていました。おそらく、すべての音源から、一度アナログ・ラインに出したものをミックスしていたため、ディジタル臭さが抑えられていたのでしょう。
 ところが、PC内でのミキシングでは、ソフト音源からの波形はディジタルのまま、一度もアナログ波に変換されずに、最終的なマスター録音にまでいたります。ここに問題の根がありそうだ、と私は見当をつけました。
 そこで、ソフト音源からの音を、一度アナログ・ラインに出し、アナログ・ミキサーで音源モジュールのサウンドとミックスする、という方法がよいのではないか、と思案しました。そして、条件に合致する機材を選んでいった結果、YAMAHA MG10XU というアナログ・ミキサーにたどり着いたのです。
 そのミキサーを先月購入しました。新システムの一員として馴染みつつあります。
 
 さて、[アナログ・ミキサー MG10XU]+[DAW ABILITY]の新たなコンビネーションで、問題点が発覚した同じ曲、<イルカの旅立ち>を録音してみました。
 上述の二つの問題点に関しては、完全解消とまでは行かないものの、神経を尖らせて聴きこまなければ気づかない程度になりました。
 ソフト音源のソロ楽器については、ディジタル・ミックスで感じられた、切れのある分離感こそ弱まりましたが、けばけばしさは和らぎ、若干マイルドな音色に変化しました。オーディオ的音質に関しては、ディジタルに比べて劣化しているはずですが、聴感上の音楽的音質に関しては、好ましい変化が得られました。
 そして、ミックス後のオーケストラのサウンドは、より穏やかで落ち着いた響きが得られたように感じます。周波数特性としては、中音域が厚い“カマボコ型”のように私には聴こえ、1960年代から1970年代にかけての、アナログ録音されたオーケストラの録音特性と似ている、と気づきました(たとえば、当時のグラモフォンの録音の特性と似ていると感じます。ただし、トータルなオーケストラの音色については本物のサウンドに及びもつきませんが)
 ディジタル・ミックスでは得られなかった、中音域の密度感とまろやかさが、アナログ・ミックスでは獲得できました。
 10年ほど前まで使っていた、Behringer のアナログ・ミキサーと比べても、数段よくなりました。より澄んだ音の、くせの少ないナチュラルなサウンドが生成されてきます。
 自分の好みのオーケストラの響きに一歩近づいた、という実感が得られ、喜んでいます。
 
新曲<イルカの旅立ち>は、細部を修正後、近々(今年中に)、このブログで公開する予定でいます。
 
 2015年12月24日、<イルカの旅立ち>を公開しました。


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