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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

ソフト音源 Garritan Personal Orchestra 4 の写実度 

Posted on 08:43:08

 
 作曲した管弦楽曲を録音された音楽に表現する際に、必要不可欠な機材またはソフトが、「音源」と呼ばれるものです。
 10年以上前から、私の音楽制作システムでは、Proteus Orchestra という音源モジュール(ハード音源)を中核にして、管弦楽の表現を行っていました。
 前々回のブログ記事でも記したように、一月ほど前から制作システムの全面的な見直しと再構築に着手しています。音源に関しては、機材としての音源を減らし、PC内にソフト音源を導入しようというプランです。
 オーケストラ用のソフト音源として、Garritan Personal Orchestra 4 を使い始めました。その音源の表現能力を、私の聴感覚を基準にして、批評してみます。

 
 比較の対象となるのは、2000年代前半の音源モジュールの Proteus Orchestra です。
(この機材を3台そろえ、弦楽器・管楽器・打楽器用に使い分けていました)
 Garritan をまだ二日間しか使っていないので、各パートの音色に手を入れず、そのまま使用した場合の良し悪しを、私の判断でチェックしてみます。
 以前の Proteus の場合、ソロ楽器のプリセットに関しては、弦・木管・金管すべて十分に使えるものでした。打楽器もまずまずです。しかし、Proteus には致命的な弱点がありました。それは、複数の人数で演奏する弦楽器のパート(Section Strings)です。
 ソロのヴァイオリンの音色はすばらしいのですが、第1ヴァイオリンが十数人で演奏する音色は、そのままでは使用に耐えませんでした。そのため、私は Section Strings に関しては相当手間をかけて、音色を加工しました。
 
 では、Garritan はどうでしょうか。
 ソロ楽器に関しては、Proteus と同様、どの音色も満足できます。Proteus でやや不満があった、ヴィオラと、チューバやティンパニーに関しても、Garritan ではリアルに鳴ってくれます(低音楽器は十分迫力があります)。木管楽器では、とりわけ、イングリッシュ・ホルンが哀愁を帯びた音色を出していて、うれしくなりました。木管のどの楽器も、単に音色がリアルなだけではなく、演奏する際のその楽器特有の表情や抑揚も、出ているように感じました。木管ソロについては、Proteus よりもよさそうです。
 また、ヴァイオリンやオーボエやトランペットなどで、異なる種類のソロの音色があって、どれも良好な表現力があるのには感激しました。そして、どのソロ楽器も、最初から、ステージ上での所定位置で(左右・奥行きとも)発音されるように設定されています。至れり尽くせりです。
 ところが、問題の Section Strings に関しては、Garritan でも、そのままでは使えない代物でした。残念。Proteus と同様、実際の弦楽パートを録音したものには聴こえず、合成音(文字通り「シンセ」の音)に聴こえてしまうのです。
 したがって、弦楽合奏に関しては、Garritan を使う場合でも何らかの工夫が必要でしょう(とりあえずは、Proteus の作り込んである弦楽合奏を使い続けることにしました)
 ただし、Section Strings でもピツィカートは例外で、そのままで十分使えます。Proteus でもそうでした。打楽器的なはじく音だからでしょうか、どちらも良好です。
 ひょっとすると、弦楽合奏の表現力を苦手とするのは、音源に共通するウィークポイントなのかもしれません。振り返ってみると、かつて使用した、YAMAHA の3台の音源モジュール(1台は現役)でも、Roland の2台(1台はオーケストラ専用音源)も、Section Strings には全く不満でした。
 
 なぜ、弦楽合奏を音源のプリセットにするのが難しいのでしょうか。
 おそらく、実際の十数人のヴァイオリンの演奏では、各奏者間に、微妙なさまざまなズレがあるためでしょう。ピッチのわずかなズレ、出だしの不一致、音色の微細な差、音の強さや長さの違い、などです。それらの複数種類のズレが、一音ごとに異なる組み合わせで、実際の演奏では生じているはずです。また、演奏位置も、ピンポイントで演奏しているわけではなく、ステージ上のある一定領域を占めて、演奏しているわけです。
 こうした、予測不能な複雑系ともいえる内容を、音源のひとつのプリセットに封じ込めるのは、実に困難であると想像できます。
 今後も、他のオーケストラ音源に触手を伸ばすかもしれませんが、Section Strings に関してはあまり期待せずに導入することになるでしょう。
 
余談
 
 Garritan Personal Orchestra の MIDIチャンネル数は、製品仕様では16でしたが、32チャンネル(たぶんそれ以上)の使用もできることを確認しました。そして、16チャンネルごとに、Garritan 内で異なる種類のリヴァーブを施すことができます。
 そのため、総合的にみて、1台32チャンネルの Proteus と同等あるいはそれ以上の音源を導入できたと判断し、3台の Proteus Orchestra のうち1台を、先日、処分してしまいました。

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