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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

バクテリア時代の体細胞の記憶―泉への郷愁― 

Posted on 06:19:57

 
 すべての生き物はおそらく、原初的なバクテリアから進化してきました。
 われわれ人間も、祖先を遡ると、20億年以上前には、原核生物のバクテリアだったのでしょう。
 多細胞の動物になってからも、その当時の生活の記憶が、体の一つひとつの細胞に宿っている、といった幻想を、私は抱いています。

 
 人は、サルの仲間、霊長類から進化してきました。5000万年前は原猿類、3億年前は爬虫類、5億年前の古生代の初期には魚類であったと考えられます。
 脊椎動物から系統発生してきた人類は、爬虫類の時代や、海で生活していた頃のなごりを、身体が温存しています。動物の本能的な危険予知能力は、多少は人間にも残っています。体液の組成は、濃度こそ異なるものの、海水の成分に似ています。また、耳という器官は、かつての鰓と同様に、半ば無意識的に外界の状況を察知する機能を備えています。そして、化学物質を検知することにより臭いや味を感じる器官、鼻と舌は、湿っています。
 そうした古生代の記憶とともに、原生代での単細胞時代の生活や、太古代での原核生物時代の生活の記憶が、体細胞には刻印されているのではないか、と感じることがあります。
 最初の生命は、熱に強い「好熱細菌」というタイプのバクテリアで、深海の中央海嶺に存在する「熱水噴出孔」付近で誕生した、とする見方が有力です。
 バクテリアの系統樹において、共通祖先に近いものはほぼ熱に強いこと、35億年前の微化石が含まれていた地層が、深海の熱水活動で形成された地層らしいこと、など、いくつかの根拠があり、生命誕生のストーリーとして、現在の自然科学のさまざまな分野の知見と整合的だからです。
 
 ここから話は飛躍するのですが、私は、泉が湧出する光景を見ると、なんとも懐かしい郷愁を抱きます。松本市や三島市で見られる湧水群に惹かれています。この感覚は、生命誕生の頃のバクテリアの生存環境を、身体の細胞が想起して、細胞が疼いているからではないか、と思ったことがありました。
 原初生命体の記憶を宿したそれぞれの細胞は、はるか昔の楽園を想起することがあるのではないか――
 そんな幻想を抱くのです。
 また、温泉に浸かると体が喜ぶのも、熱水噴出孔付近の環境に近づいたから、という気がしてなりません。温泉も、地球の内部から湧き出てくるさまざまな化学成分を含んだ温水です。優れた温泉に入ると、体細胞の内部に眠っていた記憶が蘇ってくる気がします。 そもそも、好熱細菌は、現在では温泉場を好んで巣食っているのです。
 
 泉や温泉は、バクテリア時代の体細胞の原初的記憶を賦活し、生きる活力を再生させてくれるのではないでしょうか。
 再び、松本市の湧水群めぐりをしたり、温泉に入ったりしたくなりました。


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