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作曲と思索の愉しみ

オーケストラ作品の作曲・制作過程や、科学史と音楽史の研究にかかわる記録です。 森さちやの自作曲の公開も行います。 曲と思索を分かち合いたい。

モーツァルト≪戴冠式ミサ曲≫から到来する汎神論的世界 

Posted on 17:16:27

 
「モーツァルトの本質は、飛翔であり、疾走である……そのとき、モーツァルトの音楽が神的性質を帯びることは、確かである……むしろそれは、神的というより、霊的と呼んだほうがいいであろう。善の霊、悪の霊が倫理的規範を超えて戯れ、迅速に入れ替わるのが、モーツァルトの世界である」
(礒山雅『モーツァルト=二つの顔』講談社、2000年、pp.217-218)
 
 上記の礒山氏のコメントは、私には実に納得のできるものでした。とりわけ、モーツァルトの短調の交響曲や、宗教音楽の、テンポの速い楽章からは、まさにそのような印象が到来してきます。
 今回は、このコメントの内容によく適合する、≪戴冠式ミサ曲≫K.317の、第二曲<グロリア>、第三曲<クレド>について、私見を語ってみます。
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リンネの植物分類の後始末―ジュシューの自然分類― 

Posted on 12:24:10

 
 前回のブログ記事、<リンネはなぜ、植物の分類基準として「雄しべ」を選んだのか?>の続編です。
 近代分類学の父と呼ばれるカール・フォン・リンネは、植物分類において、奇妙な基準を用いて「綱」を区分しました。「雄しべ」を最優先した分類基準を採用したのです。
 彼の分類基準は、後の植物学者に批判され、19世紀以降には引き継がれませんでした。では、植物の分類はどのようになされるべきなのでしょうか。
 リンネの体系を批判的に乗り越えていった後継者の歴史を、今回は手短に述べておきます。さらに、歴史の大局的動向に対する私の個人的見解を付け加えておきます。
(歴史的流れの説明が不十分であった前回の記事を補う意味合いもあります)

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リンネはなぜ、植物の分類基準として「雄しべ」を選んだのか? 

Posted on 15:30:38

 
 近代分類学の基礎を築いた、18世紀スウェーデンの博物学者、カール・フォン・リンネは、植物分類の大枠の「綱」を区分する際に、「雄しべ」の数と特徴を基準として、24の綱を設定しました。
 見方によっては奇妙なこの「雄しべ」に基づく綱区分は、リンネ以降の植物学者によって批判され、今日まで引き継がれていません。
 では、リンネはなぜ、分類の最も重要な基準として、「雄しべ」という形質を選んだのでしょうか。
 今回は、この問題に、18世紀の発生学におけるある学説の影響を確認してみようと思います。

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モーツァルト≪交響曲第四十番ト短調≫第4楽章の壮絶なる展開部 

Posted on 15:22:44

 
 古典派時代に開拓された、交響曲や協奏曲や弦楽四重奏曲などの曲種に適用される「ソナタ形式」は、その構造の中にドラマを含んでいます。
 [提示部‐展開部‐再現部]の三部構成のうち、とりわけ劇的な楽想の変容がみられるのが、「展開部」です。
 今回は、すさまじいばかりの変容を遂げる展開部を持つ、モーツァルトの≪交響曲第四十番ト短調≫の第4楽章に注目してみたいと思います。
 本日(8/10)四国に上陸して猛威を振るった台風11号のような、怒涛の嵐の楽章です。
 これぞまさにソナタ形式の「展開部」と言いたくなります。
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ハイドンの交響曲第94番≪驚愕≫第4楽章の推進力 

Posted on 12:43:26

 
 ハイドンの研究者、中野博詞氏は、ハイドンの交響曲における低音パートの変化を振り返り、バロック音楽では不可欠であった通奏低音が次第に崩壊していくのがわかる、と指摘しています。
(中野博詞『ハイドン復活』春秋社、1995年、p.68)
 ハイドンの最後の12の交響曲、通称「ザロモン交響曲集」では、通奏低音の様式から完全に決別し、異なる原理で音楽が推進されています。とりわけ、ハイドンの交響曲の第4楽章における曲の推進力・駆動力には目を瞠るものがあります。
 たとえば、交響曲第94番≪驚愕≫の第4楽章は、曲の内部に駆動力が宿り、それによって音楽が推進されていく見本のような楽章です。今回は、この曲に籠められている推進力をもたらす仕掛けに着目してみたいと思います。

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